なぜメンタルヘルス対策が必要なのか
右の表は、労務行政研究所が企業におけるメンタルヘルス不調者の増減について調査した結果です。それによると、心の病が「減少傾向にある」と答えた企業は全体の4.5パーセントにすぎず、
80パーセント以上の企業が心の病を抱えた従業員の問題に対する対応を迫られています。
メンタルヘルス不調者の増減傾向
区分 | 企業規模別割合 | |||
---|---|---|---|---|
1,000人以上 | 300~999人 | 300人未満 | 規模計 | |
増加している | 70.8(%) | 59.8 | 32.5 | 55.2 |
横ばい | 24.7 | 22.0 | 27.3 | 24.6 |
減少している | 2.4 | 6.5 | 2.8 | |
その他 | 1.1 | 9.1 | 3.2 | |
わからない | 3.4 | 15.9 | 24.7 | 14.1 |
合計 | 100 | 100 | 100 | 100 |
(財)労務行政研究所2008 企業におけるメンタルヘルスの実態と対策
経済活動は日々そのスピードを増しており、企業も絶え間ない変化にさらされています。
さまざまな環境変化にともない、働く人々は新しい環境への再適応を余儀なくされ、心身が疲弊します。
さらに、働く人々の多くは、子育てや介護、経済的問題など、プライベートな部分でも複数の問題を抱え、悩んでいます。
また、若手社員のメンタルヘルス問題の増加について課題を感じている企業も多いようです。
このような状況を考えると、問題の発生そのものを抑制することは難しそうですが、問題の発生に対して早く手を打ち、
対処することができれば、問題の深刻化を防ぎ、組織に与える影響を最小限にとどめることができます。